ヒメタイコウチ、ホトケドジョウ、イモリ、トンボ類など多くの生物が生息する拠点になる
湿地の修復作業を行いました。 養父志乃夫先生のご指導を受けながらの施工です。
代掻きの時期は本来であれば生物の活動が鈍くなる秋から冬の間に行います。
長い間放置された湿地には背丈が高い多年生の草本が多く茂りハンノキなどの先駆性樹木が優先してしまい次第に湿地の乾燥化が進んでしまいます。
湿地に入る前には長靴を新しいものに変えて靴底に付着した雑草などの種の侵入を防ぐ事が大事です。
まずはヨシなど草類を草払い機などで払います。今回は耕運機(ISEKI KM30)を使用してヨシなどの根茎を除去しました。湿地環境の修復にはヨシなども必要でトンボ類な休憩地や避難場所としても使われるので、水底に根を張り、茎の下部は水中にある抽水植物も必要である。
耕運機で湿地全体を攪拌しながら、粘土質の土を畔に上げてレイキなどで慣らしながら空気を抜いていく。抜根した根や草などが畔に混じるとそこが枯れてくると穴が開いてしまい水漏れの原因になるので敷地外で処分を行う。畔を仕上げるのに、傾斜がついた畑グワを使用するとスムーズに仕上げられる。
粘土層が露出した状態を作り、数%前後のわずかな勾配をつけ小水域に配水できるようにレイキで均等に土を慣らしていく。粘土層をあまり掘り起こしてしまうと遮水性が保たれなくなってしまう。
根茎除去から生息地が自然再生するまでにはおよそ半年から一年近くかかります。定期的な手入れは形成した小水域に常に水が停滞している事が大切で都度補修などを行いながら維持をし、湿地では植物相が移り変わるスピードが速い為、植生遷移の進行を抑えるために夏と秋、晩秋に仮払を行う。刈り取った草は必ず取り除き、腐植にならないようにする。
草払いを継続していくとしだいに植物の繁茂が進行する為、生息する生物の個体数を確認し減少しているのであれば手で抜く取り調整を行う。 湿地の生態系修復には生物に焦点を置くか植生に焦点を置くかで施工方法が異なり今回は生物の生態系維持に伴う修復施工でした。
参考文献 著者 養父志乃夫 自然生態修復学入門 農村文化協会 2002.5.25 P123
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