ヤツデという植物、みなさんはご存知でしょうか?
わかりやすくいうならば、天狗が持っているうちわみたいな葉っぱ。あの植物をヤツデといいます。
正式には、ウコギ科ヤツデ属の常緑低木で、印象的な形の葉っぱは一年中見ることができます。
江戸時代には庭木として植えられており、7つから9つほどに分かれた葉先を縁起のいい8と数えて、「八手(やつで)」と名付けたそう。しかし実際は、8つに分かれている葉はごく稀でほとんどが7つか9つです。
また別名を「天狗の羽団扇」といい、厄除けに用いられることもあります。玄関先に植えることで厄除けになると信じられており、現在でも入り口近くに植えられていたりします。お寺ではお盆の施食会という行事の時に、お供え物を置く入れ物にヤツデを敷いて、その上にお供え物を置いたりすることもあります。
このように特別な意味をもつヤツデですが、実は花も咲かせます。初冬に咲き、花びら五つの白い小花が玉のように群れ咲く姿は、とてもきれいです。
花が少ない季節に咲くので、厄除けだけでなく景色も華やかにしてくれる、まさに一石二鳥の植物といえるのではないでしょうか。
0コメント