枝先が枯れ込むとき、原因は土の中にある—庭の健康診断という仕事の話
枝先が少しずつ枯れ込んでいる。葉が薄くなった。木の勢いが感じられなくなった。
庭の仕事をしていると、そういう相談を受けることがあります。多くの場合、原因は地上にはありません。土の中にあります。
土は、固相・液相・気相の三つで成り立っています。固相は土の粒子、液相は水分、気相は空気です。この三つのバランスが保たれているとき、土は呼吸し、根は伸び、木は元気に育ちます。理想的な比率は、固相40〜45%・液相25〜35%・気相25〜35%とされています。
尾上別荘庭園で2025年4月に土壌診断を行ったとき、数値はこうでした。固相53.1%・液相12.2%・気相34.7%。固相が詰まりすぎて、水分保持の能力がほぼ失われている状態でした。踏んでも沈まない、スコップが入らない。そういう土です。
根はその土の中で何年も過ごしています。水を吸おうとしても吸えない。空気が少なく、呼吸もしにくい。地上から見えている葉の薄さや枝先の枯れ込みは、土の中で起きていることが表れたものです。
地上を整えることではなく、土の中を診ること。庭の健康診断とはそういう仕事です。木を剪定して見た目を整えても、土が変わらなければ根本的な回復には向かいません。数値として現れた土壌の状態を把握してから、何をすべきかが初めて決まります。
健康診断という言葉を庭に使うのは、比喩ではなく実態に近いと思っています。土が詰まったまま肥料を与えても、根は吸収できません。水をやっても、固い土ではすぐに流れてしまう。土の状態を知ることが、庭の手入れのいちばん最初にくるべきことです。
施工の詳細と数値の記録は、剪定屋空のブログに掲載しています。
→ お庭の健康診断|土壌から分かる庭の健康状態 尾上別荘庭園における土壌改善の記録とこれから
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