三重県亀山市にある福泉寺様より、大きくなったエノキの枝がお墓を覆ってしまい、落葉時期に落ち葉が大量に落ちてきてしまう為、お墓の上だけでも樹木を生かしつつ、スッキリさせたいというご相談をいただきました。
この寺院林の森はニレ林は、ケヤキ・エノキ群落になり、日本に分布する森林の一種です。この森林群落は、ケヤキとエノキという2つの支配的な樹種が存在することが特徴であり、高木層が形成される事で森の微妙なバランスを保つ役割があります。
この森は、町の微高地台地や丘陵地の末端地形などに点在し、町を流れる様々な河川の近くにある事が多く、全体的にやや湿度が高いが水はけのよい土地にあり、砂地と礫地の土壌を持つ森になります。
ケヤキ、エノキ、ムクノキなど、高さ13~18mにもなる直立した高木で構成されています。第2層は、高さ8~12mになる竹の一種である真竹が主になります。(この場所は孟宗竹と真竹)
第3層は、マダケの疎林に生えるヤブニッケイ、ヤブツバキ、シロダモ、カクレミノ、クロガネモチ、アオキで構成されています。
この森の樹木の幹には、キヅタと呼ばれるツタが茂っている事が多く林床にはヤブラン、ヤブシメジ、吉祥草、ヤブニンジンなどの草本類や、ヤブコウジ、テイカカズラなどの耐陰性・耐湿性のある種が生い茂ります。これらの要素が一体となって、ニレの高木の森を形成しています。
寺院林は、聖なる木立や寺院の聖域とも呼ばれ、伝統的に保護されてきた森林生態系の一種です。これらの森林は、寺院やその他の礼拝所と関連していることが多く、地元の人々によって神聖かつ不可侵であると考えられています。
寺院林の大きな特徴のひとつは、樹齢数百年の古木が存在することです。これらの樹木は、鳥類、昆虫類、小型哺乳類など、さまざまな野生動物の重要な生息地となっています。また、木陰の提供、土壌の水分調整、炭素の蓄積など、森の生態系の健全性を維持する上で重要な役割を担っています。
寺院林は地域の景観を構成する重要な要素であり、この地域の生態系に重要な役割を果たしている貴重な鎮守の森としてこれからも、整備などに携わらせていただければと思います。
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