近年、都市化や環境変化により、野生動物の生息環境が悪化しています。フクロウもその例外ではなく、生息数が減少している地域があります。フクロウは夜行性の猛禽類で、鋭い聴覚と視覚、静かな飛行能力を駆使して狩りを行います。世界には約200種が存在し、日本には11種が生息しています。三重県では、そのうち6種が確認されており、フクロウ(Strix uralensis hondoensis)は三重県版レッドデータブック2015では、準絶滅危惧 (NT)に指定され、保護活動が進められています。
お客様から「庭にフクロウ用の巣箱を設置したい」とのご相談を受け制作中です。本記事では三重県におけるフクロウの生態、巣箱の設計と設置方法などをご紹介します。
お庭にフクロウの巣箱を設置して、フクロウの保護に貢献し、自然環境の保全に繋がれば幸いです。
フクロウの一般的な特徴
フクロウは夜行性の鳥で、小型哺乳類(ネズミなど)、鳥類、昆虫を捕食し、生態系のバランスを保つ重要な役割を果たします。鋭い聴覚と視覚を持ち、羽毛の構造により静かに飛行できます。巣は木の洞や他の鳥の古巣を利用する種が多く、森林や里山に適応しています。
フクロウ (Strix uralensis)
特徴: 全長50~65cmの大型種で、灰褐色の体と丸い顔盤が特徴。
生息状況: 本州中部の森林に分布し、三重県では鈴鹿山麓などで観察される。準絶滅危惧種に指定。
食性: 小型哺乳類、鳥類、昆虫など。
巣: 木の洞や古巣を利用。
フクロウ 巣箱作り方
フクロウの営巣環境とは?
古い針葉樹林や広葉樹との混合林を好み、樹洞や他の大型鳥類の古巣を利用して繁殖します。
彼らの生息環境には以下のような特徴があります。
針葉樹林や広葉樹の混合林が重要だと言われてます。
自然の樹洞を利用:樹齢を重ねた大木が営巣に適している
餌資源が豊富なエリアを選ぶ:ネズミやモグラなどの小型哺乳類が多い地域
人の影響が少ない環境:過度な間伐伐採が行われていない森林地帯
このような条件が整った場所であれば、人工巣箱を活用することで営巣を促すことが可能です。
一般的に、フクロウの巣箱には以下のような寸法が推奨されています。
床面積:30cm × 30cm 以上
高さ:60cm 程度
入り口の大きさ:直径12~15cm
入り口の高さ:床面から約50cm
巣箱の向き
一般的には 東~南向き が推奨される(風や雨の影響を受けにくいため)ただし、周辺環境に応じて最適な向きを選ぶことが大切。
巣箱を設置する高さは樹木の 5~10mの高さ に設置する
地面に近すぎると捕食者(カラスやテンなど)に狙われやすいため注意
また巣箱を設置するだけではなく、定期的なメンテナンス を行うことが、フクロウの繁殖成功率を高めるために重要です。
フクロウ 生物多様性
フクロウを庭に誘致し、営巣させることは、単なる鳥の観察の楽しみを超えた深い意義を持つ活動です。
まず、フクロウはネズミなどの小型哺乳類を捕食することで、害獣を自然に駆除し、農作物や庭の植物を守る役割を果たします。これにより、化学的な駆除剤の使用を減らし、自然環境への負荷を軽減できます。
また、フクロウの存在は生態系の健全性を示す指標となり、生物多様性の保全に貢献します。たとえば、三重県に生息するウラルフクロウは準絶滅危惧種であり、その保護は地域の生態系バランスを維持する上で特に重要です。
さらに、フクロウの巣箱設置は、都市化や森林伐採、農薬使用、交通事故などで失われつつある生息地を補完し、フクロウの繁殖を支援する有効な手段です。安全で安定した営巣場所を提供することで、個体数の回復を助け、絶滅のリスクを軽減します。
この活動は、地域社会の環境教育にもつながり、自然保護への意識を高めるきっかけとなります。庭にフクロウを迎え入れることは、自然と共生する第一歩となり、次世代に豊かな自然を引き継ぐための具体的な行動と言えます。
自然と共生する第一歩として、ぜひ巣箱設置に挑戦してみてください。
剪定屋空では、お庭の管理や樹木の剪定を通じて、生物多様性の保全に貢献することを目指しています。フクロウの営巣環境を守るため、巣箱の設計・設置・メンテナンスまで対応し、鳥たちが安心して暮らせる環境づくりなどもサポートしています。
また、剪定作業で発生する伐採木や自然素材を活用し、木鳥商店 ではフクロウの巣箱をはじめとした「自然素材のプロダクト」を販売予定です。木材の無駄を減らしながら、生態系に配慮した製品をお届けできるよう取り組んでいます。
こんな方におすすめ
フクロウを庭に誘致したい方
自然環境を活かした庭づくりをしたい方
自然素材の巣箱に興味がある方
巣箱の設置についてご興味がある方は、ぜひ剪定屋空または木鳥商店までお問い合わせください。
🔗 木鳥商店オンラインショップhttps://kotorino.theshop.jp
🔗 剪定屋空 公式サイトhttps://www.senteiyasora.com
剪定屋空では、フクロウをはじめとする鳥類の巣箱の設置や取り付けモニタリングなども行っております。
🔗 人口巣洞・巣箱モニタリングシートhttps://miro.com/app/board/uXjVKllF0i4=/
さらに、オンラインショップ『木鳥商店』では、今後大型の巣箱も販売予定です。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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