三重県亀山市にある真竹が優占する過密状態から、生物多様性に配慮した広葉樹林へ段階的に移行させる取組を進めさせていただいております。
今回は亀山市が行う「生物多様性認定共生区域」の認定を目指し、市の方と打ち合わせ行いました。
亀山市生物多様性共生区域認定制度について
亀山市では令和五年から「生物多様性共生区域認定制度」を導入し、在来種を保護する取り組みを進めています。令和五~六年度末までに10区域の認定を予定しており、今回お伺いした竹林も、その認定を視野に入れて管理を進める計画です。
今回の竹林は真竹が優占し、90%が竹で構成されるほどの過密状態です。こうした竹林は、生物多様性の低下や土壌浸食のリスクをもたらします。
過密化による土壌の痩せ・生物多様性の低下
周辺でのゴミ投棄や環境悪化の懸念
段階的な竹稈の間伐や下刈り、広葉樹の自然更新・補植、土壌保全などを組み合わせ、持続的に豊かな森へ再生していく計画です。
竹林の調査としてコドラート法・ラインセンサス・ピットフォールトラップ・トレイルカメラという4つの調査方法を組み合わせた生物多様性評価を考えており今回設置できるものは設置させていただきました。
竹林管理の背景と概要
1-1. 竹林の現状
主な優占種:真竹 一部孟宗竹
混交樹種:ニレ、木としてムクノキ、イヌビワ、アオキ、タラノキ、マキ、ヤブツバキ、カクレミノ等を確認。
1-2. 竹林管理の目的と流れ
目的:
生物多様性の維持・向上を図りながら、放置竹林の過密化を緩和する。
土壌や周辺環境を守りつつ、在来広葉樹が育ちやすい環境へ段階的に転換する。
亀山市が行う生物多様性認定共生区域への認定を目指す。
管理の流れ(一年目~二年目以降)
事前調査(6~8月):竹林の密度、混交樹種、下層植生などを調べる。
歩行ルート・作業ルート設定(10月):安全かつ効率的に管理するための経路を確保。
低木・草本層の選択的刈払い(11月):過密な下草や低木を抑制し、光環境をコントロール。
竹稈の間伐・枝打ち(12~2月):枯死竹や過密部分を伐採し、搬出を行う。
竹の子折り(4~5月):新たに伸びる真竹の勢いを抑制。
モニタリング調査(6月、随時):植生や動物相の変化を観察し、次年度の管理にフィードバック。
このような段階的管理を継続しながら、竹林→広葉樹林への移行を目指していきます。
生物多様性を把握するための調査手法
竹林の管理効果や、生物多様性向上の度合いを客観的に把握するためには、複数の調査手法を組み合わせると有効です。ここでは、コドラート法・ラインセンサス・ピットフォールトラップ・トレイルカメラの4つを紹介します。
https://www.senteiyasora.com/post/kameyama-chikurin-biodiversity
剪定屋空メインホームページにて詳しい詳細を書いております。
真竹の過密状態を緩和しつつ生物多様性を高めるため、段階的な間伐やモニタリング調査を剪定空では進めさせていただこうと思います。
具体的な管理フロー(低木・草本層の仮払い、竹稈の伐採、竹の子折りなど)とともに、コドラート法・ラインセンサス・ピットフォールトラップ・トレイルカメラといった調査手法を組み合わせることで、植生から大型動物まで幅広い生物相を把握できることがポイントです。
調査で得られたデータを活用し、生物多様性認定共生区域の申請や持続的な竹林管理に役立てることで、地域環境の保全と、将来的な広葉樹林への移行による多様な生態系の復元が期待されます。
今後も定期的なモニタリングを行い、順応的管理を続けることで、竹林が多くの動植物のすみかとなる豊かな里山へと再生させていきます。
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